映像キャリア珍道中 〜吉本出身の構成作家志望。映像を始め、辞めかけて、また映像で頑張っている話〜
2025.06.27

映像キャリア珍道中 〜吉本出身の構成作家志望。映像を始め、辞めかけて、また映像で頑張っている話〜

  • LIGHT THE WAYのこと

はじめまして、2024年10月に入社した関矢道大(せきや・みちひろ)と申します。LIGHT THE WAYでは中途入社組、そして元・吉本の構成作家志望という、なかなかに変化球なキャリアを歩んできました。
「なんで映像やってるの?」と聞かれそうですが、本人としてはちゃんと筋を通してきたつもりです。

そんな私ですが、実は入社する直前まで「もう映像をやめようかな」と本気で思っていました。映像コンテンツが飽和するこの時代に、自分の手がける映像にどれだけの意味があるのか。そんな問いが頭を離れず「モチベーションを保てないまま続けるくらいなら、喫茶店でバイトしてる方がよっぽど社会の役に立てる気がする。」そんな思考が頭をよぎるレベルまできていました。
映像を続けるか、それとも豆を挽くか。そんなギリギリの時期に出会ったのが、LIGHT THE WAYでした。

この記事では、あちこちに伸びたキャリアの糸を少しずつたぐり寄せながら、 「なぜ映像を選んだのか」「なぜ映像を続けてきたのか」「なぜ今、この会社にいるのか」 そんな問いに、自分なりの言葉で真面目に向き合ってみようと思います。

ラジオ好き構成作家志望が映像業界を選んだ理由

もともと私は、吉本興業が運営する裏方養成所に通っていました。目指していたのはラジオの構成作家です。きっかけは、学生時代に聴いた「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」。想像力をかき立てるトーク、ハガキ職人たちの異常な発想、ラジオならではの近さと温度感。気づけば、深夜ラジオに生活を侵食されていました。
「自分もこんな時間を作る側になりたい」。そう思うようになってからは、自然とエンタメ業界を志すように。自分で前に出るより、誰かを笑わせる仕掛けを考えている方が性に合っていたので、構成作家という裏方の仕事に心が向いていきました。

養成所の授業では、漫才やコントのネタ、番組の企画などを考え、発想力で人を楽しませるということを学んでいました。 自分の書いたコントで人が笑ってくれる。誰かのアイデアに刺激を受ける。そんな、思考を共有する体験が新鮮で楽しかったのを覚えています。

同時に、「別にラジオじゃなくてもいいかも」とも思い始めました。大事なのは“発想を形にして、誰かを楽しませる”こと。その延長で、より表現の幅が広く、スキルも身につく「映像」の世界に自然と引き寄せられていきました。

手探りで掴んだ、映像の入り口

最初の職場では、ADとして料理やバラエティなどのTV番組・広告・Web動画などの制作に携わっていました。 人手が足りず、未経験の私にも編集や撮影のチャンスがあり、必死に技術を身につけました。
忙しさに追われる毎日でしたが、任された仕事は自分の中で“ベスト以上”のものにしたいと考えて取り組んでいました。今思うと大したことはできていなかったですが、ソフトの使い方を調べ、試行錯誤を繰り返しながら仕上げていく過程は、自分も出来上がっていくような感覚がありました。

当時は“誰かのため”というより、「自分のスキルが上がること」が最大のモチベーションでした。技術が身についていく感覚が充実感となり、次第に映像制作にのめり込んでいきました。

AD時代。ドリンク広告のロケハンにて、“死んだ目でスタンドイン”。演技ゼロ、やる気もゼロ。何が撮られているかも分かっていなかった。

3年半ほどテレビ業界で働いた後、当時急成長中だったWeb動画の業界に転職しました。分業体制のテレビよりも、基本的に企画から編集まで一貫して携われるWeb動画の方が、自分の成長につながると考えたからです。
転職先では撮影や編集の技術を磨き、その後フリーランスとしてさまざまな現場を経験しました。映像好きが集まる環境で、互いに刺激を受けながら切磋琢磨する日々はとても充実していました。自分で考え、手を動かして作ったものがクライアントの反応や成果として返ってくる。そのプロセスに確かな手応えがありました。専門性も少しずつ磨かれ、映像を通じて“自分の伝えたいこと”を形にできている実感もありました。
大手のWeb広告や山手線のビジョンなど、人目に触れる仕事が増えるとともに自信もつきました。中でも印象的だったのが、新作スニーカーのローンチイベント。自分の映像を大勢が見ている光景は、言葉じゃなく「実感」が返ってくる瞬間でした。

映像を始めた頃に抱いていた「表現を通じて誰かに届ける」という目的が、まっすぐに満たされていた時期だったと思います。

フリーの頃。仲の良い同業者と行った旅行先にて。不機嫌そうに楽しんでいる。

30代に入り悩んだ「映像を続ける意味」

一見うまくいっている風な日々の中、コロナ禍が直撃。これまでのように仕事を続けることが難しくなりました。編集作業こそ遠隔で対応できたものの、撮影は軒並み中止。未知のウイルスへの不安に加え、仕事が次々と失われていく現実にも不安を感じていました。

ちょうどそんなタイミングで知人から声をかけられ、運よく就職することになりました。 そこでの働き方はそれまでとは大きく異なり、穏やかでゆるやかなものでした。最初はその変化をポジティブに感じていましたが、気づけば自分の仕事への集中力も、責任感も、じわじわと蒸発していました。やり切った実感もなければ、成長している感覚もない。仕事にやりがいを感じられなくなっていました。
「今みたいな生活が楽しくて、10年も映像を続けてきたんだっけ?」と考えたとき、「この働き方は自分には合わない」と思い、その会社を離れることにしました。

もう一度フリーランスになり、あらためて「どんな目的で、どんな環境で働くべきか」を考え直したとき、
時間を忘れて映像に向き合っていたときの充実感。
映像が好きな人と集まり、試行錯誤していた時間。
自分の作った映像に、誰かが反応してくれた瞬間。
この3つの体験が自分を映像に留まらせていたと気づきました。

「またここから始めよう」と思えた会社

何かを表現したくて映像を始めたのに、いつの間にか“ただの作業”になっていたこと。 映像を作るなら、誰かのためになるものでなければ意味がないと感じていたこと。
自分の中で変えるべきことがはっきりしたとき、もう一度この仕事にちゃんと向き合おうと決めました。

そんなときに出会ったのが、LIGHT THE WAYの採用ページでした。
「クリエイティブで向かうべき道を切り開く」
その言葉に、自分の価値観と照らし合わせてしっくりくる感覚がありました。LIGHT THE WAYは、テレビCM、企業VPやブランディングムービーなど、ビジネス成果や世の中への影響に直結する映像を多く制作してきました。この会社なら、自分が求めていた“映像の意味”に出会えるかもしれない。そう感じたのです。

編集の意図をきちんと言語化する文化があることにも、強く惹かれました。 面接後のインターン期間の際に、編集作業で「どこで止めても画になるように」と言われたことが強く印象に残っています。
なんとなく「良い」と感じるものを感覚で済ませず、なぜそう感じたのかを言葉にして伝える。フリーランス時代は直感を頼りに進めることが多かった自分にとって、欠けていた視点であり、そうした言語化の習慣が仕事としての再現性や自分自身の成長につながっていく実感がありました。
また、年齢や経歴に関係なくチャンスが平等にあり、上司による丁寧なフィードバックがある。そうした文化もこれまでの現場ではあまり経験してこなかったものでした。 技術だけでなく、姿勢や言葉、責任感を含めて“仕事にちゃんと向き合う”環境がここにはある。再スタートを切るうえで、これ以上ない場所だと感じました。
なにより全員が映像に対して真剣で、業界の流れを捉えながら常に自分たちの立ち位置を見つめ直している。その真摯な姿勢に触れ「この場所で働きたい」と心から思いました。

“辛くない”は“幸せ”でもない

コロナ禍を経て、映像をやめようとすら考えていた自分がまたこの業界で真剣に働けていること。それ自体がちょっとした奇跡のように思えます。
緩やかな働き方は一見心地よく見えますが、それが続くことで幸福度が下がっていく感覚が個人的にありました。作業のように映像を作るのは精神的にもきつかった。そして、仕事のやりがいは、“誰と作るか”や“何のために作るか”と深く結びついているという、そんな当たり前のことにあらためて思い至ったのです。

LIGHT THE WAYに入ってからは、その実感が日々の仕事の中で明確になっています。映像に本気で向き合う人たちと一緒に、同じ方向を見ながら制作をする。そのプロセスそのものが仕事の満足度に直結していると感じます。
チームで働くことの喜びも日々強く感じています。一人で作ったときの達成感は短くても、誰かと一緒に作ったものは時間が経っても色褪せないと思っています。 映像を見返したときに、関わってくれた人を思い返す。そんな瞬間が自分の中で確かな支えになっています。「この人たちとだったら、誰かの人生を変えるような、人の心を動かす映像が作れる」。そう思えるチームで働けている実感があります。

LIGHT THE WAY入社後、初めて任された案件の北海道ロケにて。
©山田秀隆 https://www.hidetakayamada.com/

30代転職で見つけた“次のステージ”

改めて自分のキャリアを振り返っても、やっぱり変だなと思います。 でも、そんな自分を拾ってくれたLIGHT THE WAYも、いい意味でちょっと変な会社です。
ただ、いろんな働き方や現場を経験してきたからこそ、ここまで映像と、仕事と、真剣に向き合っている人たちと働けるのは特別なことだと実感しています。 私はこの会社に入ったことで、もう一度、人として鍛え直そうと思えるようになりました。技術だけではなく、姿勢や言葉や責任感も含めて「ちゃんと向き合う」ことの価値を日々学んでいます。
誰と作るか、何のために作るか。 その答えに少しずつ輪郭が見えてきた今、止まっていたキャリアがようやく進み始めた気がしています。

今後は、3D・WebデザインからIP・マーケに関わる企画まで、分野を越えていろんな表現にチャレンジしていきたいと考えています。 面白い表現に関しても、あきらめたわけではありません。隙があれば、企画や演出にこっそりねじ込もうと企んでいます。 これまで積み重ねてきた経験をベースに、より広い視野でクリエイティブに向き合っていけたらと思います。

最近の私。ご機嫌な坊主。これからどうぞよろしくお願いいたします。

編集者:高橋直貴

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Director / Designer

関矢道大

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